| USライス:健康促進のために |
農務省南部研究所:米国
エレーヌ・シャンペーン
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米国のコメ産業が目指すのは、米穀独特の遺伝子源を明らかにし、技術を開発することで、栄養上の利点を取り込んだ製品を作り、人間の健康を向上させることである。今回の発表では、米国のコメ生産と市場の概観を示す。農業研究局(ARS)が実施した健康増進食品・原材料のための新技術開発を目指した研究に加えて、米国における健康増進商品の動向と販売に焦点を当てる。従来型の育種ツールを用いて、健康に有益な遺伝子源の特質を強化させることを狙った研究についても論じる。2007年の米国6州(カリフォルニア、アーカンソー、ルイジアナ、テキサス、ミズーリ、フロリダ州、275万エーカー)のコメ生産量は898万トンであった。アーカンソー州が全米のコメ収穫量のおよそ50%(433万トン)を生産しており、その92%が長粒舞米である。第2位のカリフォルニア州が197万トンで、83%が中粒米である。籾米160万トン、玄米371,300トン、白米230万トンが種出輸出されており、残る籾米740万トンを精米してできた玄米62,000トン、白米260万トン、糠506,660トンが国内市場に出回っている。今年、玄米には全粒穀物食品という新しい道が開けた。2008年5月、米国食品医薬品局が現在、全粒穀物を対象に掲示している「全粒穀物食品およびその他の植物食品を豊富に含み、総脂肪酸、飽和脂肪酸、コレステロールの低い食事は、心臓疾患および一部の癌のリスクを軽減させる可能性がある」という表示の対象に玄米を含むことが決定された。これは、全粒穀物消費量の増加を促す積極的な取り組みである。しかし玄米には、マーケティング上の問題が残されている。脂肪分解と酸化型酸敗のため、消費期限が3-6ヶ月と短いことだ。玄米は炊飯に45-50分を要し、ぱさぱさした食感で、表面が粘ついたゴム状をしている。ARS研究員が炊飯時間の短い玄米の加工法を考案した。半茹で米粉とともにブラストすることで、玄米のワックス層にミクロの孔を開けるという方法である。結果、15-20分で炊き上がり、白米に類似した質感をもち、かつ未加工の玄米の栄養価すべてを留めた加工玄米ができあがった。この加工法は特許(米国特許6,585,036)と許可を得ている。最近では米国消費者向けに、すぐに食せるパックや主菜として、または混米パックとして売り出されている。ARSの育種専門家が近年、特定の健康効能をもった新しい特殊米品種を開発した。ラヴァカ(Lavaca)は炊飯すると増量する長粒米である。この品種はカロリー減量コメ料理(実際よりもコメの量が多く見える)として利用することができるであろう。長粒糯性品種のネチェス(Neches)は、ヨーグルト、サラダ、ドレッシング等の代替油脂になり得る。ブラジルで開発され米国で協同栽培された黒色香り米のIAC600は、高いフェノール含量と抗酸化活性を有する。ARS研究員は、ゴールデンライスに新規特性(ビタミンE、鉄、亜鉛)を乗せることに重点的に取り組んでおり、このコメからミネラルの生物学的利用に影響を与える新因子に関する基本研究を行なっている。玄米も白米も、シリアル、ベビーフード、チップス、スナック・バー、クラッカー、パスタの原材料として使用されている。無ラクトースの乳製品代用品(飲料、アイスクリーム)をコメから作ることができるのである。米タンパク質は低アレルギー性で無グルテンである。米デンプンは脂肪のような口触りを持つので、低脂肪もしくは無脂肪の商品を作ることができる。ARS研究員は、鶏や魚に用いた場合、優れた付着性や油加熱調理の特性に加えて、従来の小麦粉衣生地より油吸収量が60%少ない低油吸収性、低グルテンのコメ衣生地の技術を開発し、特許ならびに許可を取得した。米糠は、健康効能のある多数の植物性栄養素を含んでいる。ARSの研究で、糠が紫色および黒色のコメ品種には、淡色の糠皮部をもつコメより何倍も高いフェノール含量および抗酸化活性があることが証明された。ARSはまた、脱脂米糠がハンバーガー・パテの脂肪酸化を著しく鈍化させることも明らかにした。全脂米糠は安定化させる必要がある。ARS研究員は極めて低いエステラーゼ活性の品種を特定し、酸敗に対する安定性が著しく高い糠に行き着いた。ARSはまた、健康によいポリコサノールを含有する米糠ワックスがプルランの被膜を形成することを明らかにした。この被膜には優れた耐湿特性があり、被覆バリアまたは風味添加や栄養添加物に利用できる。コメ業界は、米糠エキスの食品加工助剤としての利用法を開発し、同成分を栄養機能性食品として市場で販売している。よりすぐれた健康効能をもつコメ製品の開発は前途有望である。
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